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北川景子主演の「あなたを奪ったその日から」を見て

2025年5月2日

北川景子主演の「あなたを奪ったその日から」を見て

フジテレビ系で放送された新しいドラマです。

子供がピザを食べてアナフィラキシーショックを起こして亡くなるという場面から始まる復讐劇の様相を呈しています。

子供が食べたピザにエビが入っていて、それが成分表示に記載されていなかったため、遺族がピザの販売店を恨むということですが、少し違和感があります。

なぜ、その家族はアレルギーを緩和させる治療をしていなかったのでしょうか?

ピザ屋を恨むより、自分たちが適切なアレルギー治療をしていなかったことを悔やむべきではないのでしょうか?

日本の小児の0.6%がアナフィラキシーショックを経験しており、食物アレルギーは極めてありふれた疾患です。

ドラマにあるような「誤食」により発症することも多く、死亡することもあります。

しかし、その治療方針は近年大きく変化しています。従来のような原因食物をいっさい食べさせないという治療法から、積極的に原因食物を食べさせて慣れさせるという治療法が採用されつつあります。

適切な治療を行わないで、原因食物の除去のみを行っていた場合には、ドラマのように「誤食」することで重症になることがしばしばありますが、適切な治療を行って、少しずつ原因食物に慣れることにより、たとえ誤食しても重症になることは少なくなるのです。

何年も子供の食事に注意して、いっさいエビが入ったものを食べさせないようにしていたのに、ある日誤ってエビが入ったピザを食べたら死んでしまったというのは、あまりにも悲しくはありませんか?

子供が誤食して死亡したからといって、ピザ屋を恨むというのでは、多くの外食産業だって戦々恐々として仕事をしなければいけなくなります。

家族がきちんとアレルギーの治療をしていればそのようなことにはならないのですから、アレルギー疾患の子供を持つ家族は、もっと責任を持ってアレルギーの治療をしてもらいたいと思います。


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